太陽の首都

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ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」 

車輪の下 (新潮文庫)
ガリ勉の悲劇度 ★★★★★
あらすじ:南ドイツの小さな町で生まれた優等生のハンスは、難関試験に合格し神学校へ入学する。だが、そこでの厳しい生活や友情との間で苦悩する。

ヘッセが自身のマウルブロン神学校時代を題材にした1905年の作品。
周囲の期待に応えるため猛勉強を重ねる生徒に降りかかる悲劇を描き、現代にも通ずる「詰め込み教育」に対する批判が窺える。
思春期という多感な年頃の少年が学業のために自身をすり減らし、次第に追い詰められていく様子は哀れとしか言いようがない。
「学生の本分は勉強にある」というのは確かに分かる。知識や教養を身につけ、社会に貢献するために勉学は必要だ。
でも仲間との友情を通して人間関係を築いたり、若い頃にしか味わえない開放感を体験する事も重要だろう。
普通はどちらも自然と経験するものだと思うが、学問追求型で規制の厳しい神学校のようなところでは難しいのかもしれない。

主人公ハンスは秀才であるがゆえにプレッシャーをかけられ、自分でも気づかないうちに追い込まれていく。
文化的な精神を得る代わりに自己を抑圧した生活を送るが、ハイルナーという少年と親友になり変化が現れる。
ハイルナーは天才型の問題児で奔放な精神を持ち、抑えつけられる事を何より嫌う。
彼との友情がハンスの苦悩の始まりだな。
勉強よりも大事なものがある事に気づきハイルナーとの絆を深めるが、一方で落ちていく成績に不満を抱き苦しむ。
やがてハイルナーが問題を起こし放校に処されると、残されたハンスの精神は危うくなっていき絶望街道まっしぐら。学校を去る事になる。
ヘッセ自身、神学校の生活に耐えられなくなり逃げ出している。
彼は支えてくれる母親の存在により立ち直ったが、母を早くに亡くし父親も頼りにならなかったハンスには悲劇が訪れた。

誰もハンスの悩みに気づいてやれなかったという、なんとも後味の悪い作品だ。
釣りに興じた子供時代の記憶がみずみずしく描かれているだけに、いっそう悲惨に感じる。
自伝的な小説ではあるが、ハンスとハイルナーという二人の少年にヘッセの性格を二分させているのが特徴だろう。
天才と模範生という異なる両者の一方は鳥のように飛び立っていき、一方は車輪の下に押しつぶされてしまった。
自分の青春時代を振り返り安堵したが、現代においても深刻な問題だな。
[ 2007/08/29 23:16 ] 海外小説 | TB(0) | CM(0)
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