太陽の首都

つぶやき以上レビュー以下な雑感サイトです
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宮沢賢治「雨ニモマケズ」 

サライ 2010年 07月号 [雑誌]
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ 小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイゝトイヒ
北ニケンクワヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
サウイフモノニ ワタシハナリタイ

本屋で見かけた今月のサライが宮沢賢治特集だったのでちょっと立ち読み。
誰もが一度は読んだ事があるだろう有名なこの散文。
子供の頃はよく意味が分かっていなかったが、改めて音読してみたら涙が出そうになった。
生活は苦しく病に倒れてなお持ち続けた、清く正しく慎ましく、人のために尽くし生きたいという精神。
「そういうものに私はなりたい」で文が終わっているところに彼の優しさや謙虚さがにじみ出ていると思う。
宮沢賢治の詩や童話は一語一語に豊かなリズム感があるのは勿論、壮大な宇宙的感性というか、清々しい透明感が伝わってくるんだよなぁ。苦しみにしろ喜びにしろ逆らわず受け入れる潔さがある。
特集内でも書かれていたが全ての作品が彼の人生と密接に繋がっていて、作品を通じて宮沢賢治という人間の生涯を読んでいるような気になる。
怒りや悲しみを捨て去る事は出来なくとも、最後まで理想を追い求めた彼のことを「聖人」だと書いていたのには妙に納得してしまった。

★★★★★
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[ 2010/06/15 22:42 ] 作家 は~わ行 | トラックバック(-) | コメント(-)

水原秀策「サウスポー・キラー」 

サウスポー・キラー (宝島社文庫)
あらすじ:人気球団オリオールズの投手・沢村は、身に覚えのない八百長疑惑によって自宅謹慎処分を受ける。自身の潔白を証明するため告発文書の調査に乗り出す沢村を待ち受ける陰謀とは…?

第3回「このミス」大賞受賞作。
俺は野球に関心がないので詳しいシステムはよく分からないが、選手生命の危機に立たされた男が野球界の裏事情に踏み込みつつ逆境に立ち向かう話。
野球ミステリーというやや異色のテーマで描かれているが、正直言ってミステリーという感じはない。
犯人は簡単に想像がつくし、巧妙に仕掛けられたトリックも無し。ハードボイルド・タッチのサスペンスと言った方がいいな。
人気球団の投手なのにどこか冷めた主人公・沢村、知的で魅力的な女優・黒坂美鈴、沢村に脅しをかける謎の男・高木。主要人物はこの3人で、彼らのやり取りが事件をより発展させていくんだが、残念ながら俺は最後まで沢村が好きになれなかった。
なんか、台詞の端々がやたら鼻につくんだよな。わざとそういう描き方をしているってのもあるだろうが、淡々としていてあまり共感できない。
逆に高木は「ゆすりのプロ」として独自の美学を持ち、飄々としてつかみ所がないが存在感は抜群で気に入った。

内容の方は可もなく不可もなく。
沢村に起きたスキャンダルを発端に、魅力的な女性との出会い、次第に明らかになる野球界の闇の部分などがオーソドックスに描かれている。
犯人は分かっていたものの、事件の真相は「なんだそんな事か」とちょっと期待はずれ。
途中でややダレる部分もあるが、サスペンスなシーンと試合のシーンを使い分け、全体的にはテンポ良くまとめていると思う。
でも普通だな。このミス大賞という言葉に期待しすぎたか。

★★★
[ 2009/08/06 20:45 ] 作家 は~わ行 | TB(0) | CM(0)

森村誠一「凶水系」 

凶水系 (徳間文庫 も 1-47)
トリック度 ★★★★★
あらすじ:熊谷の荒川で男の溺死体が発見された。次いで高崎のマンションで男が墜落。二つの事件は連続殺人かと思われたが、男の部屋は完全な密室だった…。

松田優作主演で映画化され大ヒットした「人間の証明」などで知られる作家、森村誠一。
名前は知っているという程度だったが、知人から貰った本の中に偶然この人の名前を見つけたので、試しに一冊読んでみた。
本作は著者の出身地である埼玉県熊谷市をはじめ、高崎、狭山、熱海など土地柄を前面に出して展開する推理小説だ。
関東圏でない俺にはいまいち感覚が掴みにくくて残念だが、違う場所で起きた二つの事件に様々な人物が絡み合って広がっていく内容はなかなか読み応えがある。

中でもこの作品のメインは、趣向を凝らしたトリックの豊富さと巧妙なアリバイ作り。
偽装工作、密室トリック、裏での取引など、何重にも施された仕掛けの結び目を少しずつ解いていくのはワクワクするな。
アリバイ崩しの手がかりとなる土地売買や保健所に関する制度、特定の木に棲みつく寄生虫といった知識は勉強になるし、犯人が思いもよらぬところから足がつくという偶然性は犯人⇔警察間だけの話には収まらず、緩急がついて面白い。
これだけの充実した内容が週刊誌連載('76~'77「週刊小説」)だったとはちょっと驚きだ。

ただし、個人的には残念な部分もある。
本作は本格推理小説としては高いレベルにあると思うが、人間描写という面についてはかなり弱い。
登場人物が犯人側・警察側ともにステレオタイプというか深みがないというか…結局「金と女」というキーワードで表面的にまとめてしまったような印象を受ける。
謎解きに重点を置いた反面、人間ドラマが浅くなってしまうのは仕方がないんだろうか。

―と思っていたら巻末の解説で事情が判明。
本格推理小説の地位を確立した著者が新境地として執筆したのが、前述の「人間の証明」(証明シリーズ)に代表される人間そのものに重きを置いた作品群であり、トリックとしての面白さは逆に控えめだったようだ。
新たなファンを獲得する一方、物足りなさを感じていた初期のファンの期待に再び応えたのがこの「凶水系」。
俺が無知なだけで、人間描写が苦手な作家というわけじゃないんだな。
よし、次の機会には「人間の証明」を読んでみよう。
[ 2007/12/02 23:54 ] 作家 は~わ行 | TB(0) | CM(2)

三島由紀夫「仮面の告白」 

仮面の告白 (新潮文庫)
性的倒錯度 ★★★★★
あらすじ:同性にしか性的欲求を抱けない青年「私」は、友人の妹・園子と親密になる。欲望がなくても女性を愛せると思った「私」だったが…

1949年発行、当時24歳の三島由紀夫による初の書き下ろし長編。
同性愛を扱った事によりセンセーショナルを呼び、三島の地位を確立した。
…初めての三島作品としてはハードルが高かっただろうか。
テーマの難解さ以上に、とにかく分からない言葉だらけで注釈と大格闘だった。

作品の構成は、女性に対して不能である「私」が自らの姿を回想しながら追及するという設定のもと4章から成り立っている。
その中には複雑多様な性的嗜好が描かれているが、とりわけ目立つのは青年の肉体に対する執着と、悲劇への憧れだろう。
前者は初恋の相手・近江に代表されるマッチョな肉体への自己投影とサディスティックな妄想の対象として、後者はマゾヒズムにも通ずる死への期待と、自らの境遇を特別視するナルシシズムすら匂わせて描いている。

成長した「私」は異性への性欲が皆無にもかかわらず愛する事が出来ると考え、園子という女性と付き合う。
頭の中では仮面と素面が絶えずせめぎあい、メビウスの輪のように彼自身にも真実と虚偽の見分けがつかなくなる。
だが美しい青年の肉体が血にまみれる様子を想像して欲情する時、隣にいた園子の存在も忘れていた事に気づき、ようやく理解するのだった…。
俺としては、「私」が本物だと思っていた園子への愛は、実際には純粋な魂に対する崇拝のようなものだったのではないかと思う。
手に届かない事をどこかで自覚しているがゆえに惹かれるという「悲劇のストーリー」の一つに過ぎなかったんじゃないだろうか。

三島の半自伝的な作品と言われているが、タイトルを上手く使った精巧なフィクションという見方もあるようだ。
俺はどちらとも言えないなぁ。
過剰なまでの内面描写は確かに生々しいが、自己分析が整然としすぎていてここまで完璧に出来るものだろうか?とも思う。
「仮面の告白」というタイトルがますます混乱させる…完全に作者の思うツボだな。
何にせよ言えるのは、これほど徹底的、というか執拗に書けるのはやはり普通じゃないって事だ。
尊敬の念を込めあえて変態と言わせてもらおう。
[ 2007/10/13 23:31 ] 作家 は~わ行 | TB(0) | CM(2)

松本清張「点と線」 

点と線
スラスラ度 ★★★★★
あらすじ:福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

ガラスの城」に続いて松本清張2冊目。どうせ読むなら時代順に読んだ方がいいのかもしれない。
この作品が発表された1958年当時はまだ新幹線がなく、移動には主に鉄道が用いられていた。当然かなり時間が掛かる。
そこで時刻表を巧みに利用し、完璧に作り上げた犯人のアリバイを刑事が崩していくという、この手の推理小説の元祖と言われる作品。

さすがに今読むと古臭さや見慣れたトリックはあるものの、突破口を見つけたかと思うと新たな壁が立ちはだかり苦悩する刑事の描写は見事で、スラスラ読める。
犯人を当てる作品ではないが、犯罪の裏にある動機を重視する事によって人間の内面を描き、「社会派推理小説」というジャンルを確立した。
利用する人間とされる人間。怖いねぇ。
[ 2007/05/08 16:12 ] 作家 は~わ行 | TB(0) | CM(0)
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