洋楽・洋画・本のレビュー。色々手を出してます。

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悪魔のいけにえ

悪魔のいけにえ スペシャル・エディション コンプリートBOX(3枚組)
絶叫度 ★★★★★
あらすじ:テキサスの片田舎をドライブしていた5人の若者は、ひっそりと佇む屋敷を見つける。そこには殺人鬼レザーフェイスが潜んでいた…

数多のフォロワーを生んだ、トビー・フーパーによるホラー映画の傑作(1974)。
一度は見ておかねばと思いようやく鑑賞。
実在の殺人犯エド・ゲインをモチーフにしたと言われるこの映画は、人の皮で作ったマスクをかぶりチェーンソーを振りかざすレザーフェイスの強烈なインパクトと、全編に漂う不快感が圧倒的だ。
不気味なヒッチハイカー、古びた屋敷、真夏のまとわりつくような空気…ピリピリと緊張感の高まったところに襲いかかる恐怖はかなりの衝撃。
直接的な残酷描写はほぼ皆無にもかかわらずこれほど怖いのは、演出によるところが大きい。
唸るチェーンソーの轟音もさることながら、個人的にはレザーフェイスに引きずり込まれバターンと閉じる鉄扉の無情な響きが耳から離れない。

中盤までは正体不明の殺人鬼の異常さが怖かったが、残されたヒロインとの壮絶な追いかけっこ辺りからちょっと笑いがこみ上げてくる。
爆音チェーンソーといい勝負を繰り広げるヒロインの絶叫が夜中に響き渡り、殺人鬼一家の晩餐会はどこかユーモラス。普通の人間にはあんなに恐ろしいレザーフェイスも、変人揃いの家族からは意外と虐げられている様子。
パニック状態でひたすら叫ぶヒロインと、異様にマイペースな殺人一家との対比はブラックユーモアがあっていいな。
朝焼けをバックにチェーンソーを振り回すレザーフェイスの姿でブッツリ終わるラストも印象的だ。

感情的な演出を排除し淡々と描いているので、もしかしたらどこかで実際にこんな惨劇が行なわれているかもと思ってしまうようなリアルさがある。
特に前半のたまらない息苦しさは見事としか言いようがない。
以降のシリーズやリメイク版は未見だが、気が向いたら期待せずに見てみるか。

おまけ:「Bad Guys Silent Night
レザーフェイスに負けず劣らずキャラの濃い悪役たちが大集合のCM。なんて幸せなクリスマス。

モデル連続殺人!

モデル連続殺人!
美意識度 ★★★★★
あらすじ:イザベルというファッション・モデルが殺された。やがてイザベルは生前、詳細な日記をつけていた事が判明する。その日記はモデル仲間の手に渡るが、その女性もまた何者かによって殺されてしまう…。

「ジャーロの父」と呼ばれるイタリア人監督、マリオ・バーヴァによるサスペンス(1963)。
ジャーロとは殺人を扱ったイタリア映画のジャンルで、コートに覆面という出で立ちの犯人が美女を残忍な手口で殺していく、というのが特徴として挙げられる。
マカロニ・ウェスタンやイタリアン・ホラーにも通ずる残酷描写に重点が置かれる反面ストーリーは二の次という傾向にあるが、本作はジャーロの先駆的作品なので殺人シーンはまだソフト(当時はショッキングだったのかもしれないが)。
首を締めたり、熱したストーブ(?)に顔を押し付けたり、刺したり、水に沈めたりと色々な方法で美女が殺されていく。
ちなみに殺される際モデル達はなぜか下着姿。ただエロシーンは無いので、B級っぽいタイトルからそういうものを求めた人はガッカリすること間違いなし。

火サスのような愛憎ドロドロ物語で犯人も中盤で明らかになってしまうが、この作品の見どころは監督の美的センスにある。
青や赤を基調とした色使いと陰影、殺されてもなお美しいモデル達。
それを象徴するのがオープニングで、クレジットと共に登場人物が原色のスポットライトに照らし出される。そこに流れる音楽もムーディーで、ここだけ何度も見たくなってしまうほどオシャレだ。
だがこのシーン、特典に入っていたアメリカ版ではなぜか変更されており、マネキンが延々と映し出されるだけになっている。悪くはないがオリジナルの方が数倍いい。
この色使いは劇中でも盛り込まれ、血の赤以上にマネキン、カーテン、バラ、電話など小物の赤が強烈なインパクトを残す。
明かりと暗闇のコントラストや構図の取り方にも撮影出身であるバーヴァのセンスが感じられる。

はっきり言って陳腐なストーリーなので細かい内容は忘れてしまったが、暗闇のなか赤や緑のライトが点滅したり、水死させられたモデルの死体としての美しさ、ラストシーンの揺れる受話器などは印象的だ。
この作風はダリオ・アルジェントに受け継がれ、’77年の「サスペリア」で見事に昇華されている。
こういうイタリア的な色彩感覚あふれる作品、もっと見たいなぁ。

スラッグス

slugs.jpg

イライラ度 ★★★★★
あらすじ:衛生局に勤めるマイクは、市民の苦情を受けて下水道の調査を始める。そこには大量の人食いナメクジが住み着いていた…

B級全開のナメクジ・ホラー。最初に「Slugs “The Movie”」と出て驚いたが実は原作あり。ショーン・ハトスンの「Slugs」を映画化した作品(1987)。アメリカ・スペイン合作。
スラッグとはナメクジの事。タイトル通りこれでもかというほどナメクジだらけ。
苦手な方には絶対にオススメできないが、この映画のナメクジは本当にすごい。

まずその姿、どす黒くてデカイ。日本のナメクジなんてせいぜい3分の1スケール。かわいいもんだ。
そんなやつらが床一面に蠢いている様は「黒い絨毯」といい勝負。ヌメリがある分ナメクジの方が気持ち悪いか。
しかもこの映画、CGのない80年代の作品なので、出てくるナメクジは全て本物。ナメクジ絨毯の上でのたうち回ったり、ナメクジプールの中を泳いだり…俳優も大変だな。
グロシーンも80年代の割に健闘しており、幼体(?)が目や耳・口から噴出するシーンはインパクト大。

ストーリーは主人公マイクが肉食ナメクジと戦うというシンプルなものだが、全体的に粗さが目立つ。
不法投棄された産廃によって大繁殖&肉食化したナメクジが人々を襲い始める設定や生態に言及する辺りは悪くないが、主人公が完全にアウト。
いきなり市長のところへ押しかけて「とにかくヤバイから水道止めやがれ!」じゃな…。それでも衛生局員か。説明もなしに言われて誰が納得するんだ。
で、「ランチの邪魔だから帰れ!」と追い返した市長はまんまとナメクジのランチにされちゃったりして、もうどっちも馬鹿。
最終的に、湿気に反応して爆発炎上する薬品を都合よく知り合いに作ってもらい(塩じゃダメなんだろうか)、相棒と下水道に乗り込むのだが…。
ここからの無駄なカット連発が酷いな。
主人公マイク側と、対して重要でもない若者グループ側の様子が交互に映されるが、しつこすぎてイライラする。クライマックスなのに緊張感はゼロ。
マイクのやってる事もかなり頭悪そうで、ある意味B級らしさ満点とも言える。

ゴカイの大繁殖を描いた「スクワーム」と並び「グロイ、キモイ」と言われているが、個人的にはそれほどでもなかった。
ただ、直接的なグロではないが一番気持ち悪かったのは、ナメクジ入りレタスをザクザク切って夫にサラダを作るシーン。もちろんナメクジスライス風味。
「塩味が効いてたね。アンチョビかな?」…イヤすぎる。その後の彼の運命は言うまでもない。

地獄の門

地獄の門
支離滅裂度 ★★★★★
あらすじ:神父の自殺という背徳行為によって、呪われた地ダンウィッチでは“地獄の門”が開かれようとしていた。事件を知った記者と女霊媒師は彼の地へ赴くが…。

イタリア人監督、故ルチオ・フルチによるホラー(1980)。
サンゲリア」「ビヨンド」と並び絶頂期の作品と言われている。
フルチといえば、力入れまくりのショック・シーン&ビックリするぐらい支離滅裂なストーリーがお決まりだが、今作も予想を裏切らない出来ばえ。
まず、話のきっかけとなる神父がなぜ自殺するのか謎。いきなり死んだと思ったらいきなり地獄の門が開く。どういう理論なのか、さっぱり分からない。
ちなみに「地獄の門」というアイディアは「ビヨンド」でも使われているが、やはりこちらも意味不明。
共通するのは「とにかく何かヤバイらしい」という事で、次々とありえない事態が起こる。

目から血を流し内臓を吐き出す女性、頭を握りつぶされ搾り出てくる脳味噌、蛆虫の雨、電動ドリルで頭貫通、テレポーテーションするゾンビ…など。
本当にありえない。地獄の門にかこつけてフルチがやりたい事やってるだけだろう、多分。
ドリルのシーンなんて話の本筋と全く関係ないしな。
思わせぶりな設定をいとも簡単にぶち壊す事にかけては天才的とも言えるが、それが故意なのか天然なのか分からないのがさすがフルチ。

だが終盤はテンション急降下。
脳味噌搾り出しも乱発、何となく殺されていく人々、あっさり死ぬゾンビなど惰性でやっている感が目立つ。
ラストも無理矢理バッド・エンドに仕立てたようにしか見えない。
フルチ作品3作目という事で期待は大きかったが、後半の失速に「あれ?こんなもんか?」と少し物足りなさを感じた。
個人的に現時点では「サンゲリア」がトップだな。

デビルズ・ゾーン

デビルズ・ゾーン
不気味度 ★★★★★
あらすじ:ドライブ中の若者グループがたどりついたのは荒れ果てた蝋人形館。彼らはそこで、不気味なマスクをつけた男に殺されていく…。

「悪魔のいけにえ」以降乱発した、殺人鬼ものホラーの一つ(1978)。
蝋人形(というかマネキン)が出てくるのは最近見た「蝋人形の館」系。
大筋は型通りだが、少し違うのは犯人が超能力者という点。奇妙なマスクをつけた男が超能力で人形を操り、立ち寄った人間たちを追い詰めていく…というのがミソ。
しかも殺人鬼役はTVシリーズ「ライフルマン」でお馴染み(?)のチャック・コナーズ。
ホラーに転向かと思いきや、今作でもやっぱりライフルを担いでいてクスリとさせられる。
そんなコナーズに狙われる可哀想な若者の中には、チャーリーズ・エンジェルやボンドガールも務めたタニア・ロバーツの姿も。

この手の映画に共通するお約束は「バカな若者」だろう。
大体「この先立ち入り禁止!」とか「警告」とか書いてある看板は無視(もしくは気づかない)。
「ここで待ってろ」と言われても待たず、勝手にモノを漁ったり不法侵入は当たり前。
非常識さにイライラさせられるが良い子ちゃんばっかじゃホラーにならないからな。
この映画でも気持ちよく犯人の罠にかかってくれる。

今作はホラーといっても恐怖感はあまりなく、スプラッター度も低い。「あ、死んだ」ってなもんだ。
その代わり不気味さは突出している。
人形がけたたましい笑い声を上げたり、「ア〜」とか奇妙な声を上げて倒れてきたり。当時の技術的にあまり派手なアクションは出来なかったんだろうが、なかなか良い味が出ている。
中盤ややダレる展開が続いたり説明不足が目立つが、ラストシーンのインパクトは凄まじい。
何でああなるのか訳が分からず、不可解なだけにやたらと不気味だ。

―と思っていたら特典に入っていた監督のインタビューで何となく分かった。
徐々に狂気に目覚めていく様子を描いているらしいが、それは殺人鬼の事ではなく生き残った女の子についてらしい。
そう言われれば、最初と最後でかなり性格が違う。
そうか、あれはイカレちゃいましたって事だったのか。納得。
…よく考えるとそっちの方が怖いな。
それにしても何だこの変態パンツなジャケットは。捏造するにしても方向性が間違ってるだろ。

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Author:Oops!

23、趣味に生きてるフリーター
現在、多忙につきユルユル更新

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ロック・ポップス中心に浅く広く
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ミステリーとか海外の名作とか

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