洋楽・洋画・本のレビュー。色々手を出してます。

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Riverdance

ベスト・オブ・リバーダンス[期間限定スペシャル・プライス]
先月の事だが、友人とリバーダンスの名古屋公演を見てきた。
リバーダンスとは、アイルランドの伝統と移民の歴史を綴ったタップ・ミュージカル。
上半身は直立不動のまま、脚だけを動かしてタップを刻むアイリッシュ・ダンスをベースに、様々な演出を取り入れたパフォーマンスだ。
ケルト音楽は結構好きで、以前何枚かケルトCDを取り上げたが(参考記事)、アイルランド文化やリバーダンスについてはほとんど無知。二人して予備知識なしの状態でGO。

休憩を挟んだ1幕と2幕からなり、1幕ではアイルランドの自然や神話をテーマに進行。
背景のスクリーンに映る映像と音楽に合わせて、ダンサー達が華麗なステップを披露する。
幕開けは「太陽を巡るリール」。
暗闇の中から朝日が差し、男女十数人が踊りだす。ゆっくりした動きから徐々に円形・十字と隊列を変えながらステップを刻む。
曲調が一転すると男性プリンシパルが颯爽と登場。観客席からは大きな拍手が。
舞台上を右へ左へ移動し、再び現れたラインダンサーを引きつれ見事な連係プレー。
続いては「心の叫び」。無伴奏でリード・ソプラノと男女コーラスによる美しい曲。静謐な気持ちにさせてくれるソプラノ歌手の澄んだ歌声に聞き入ってしまう。
フィドルとギターの音色が心地よい「キャスリーン伯爵夫人」では女性プリンシパルが登場し、またもや口笛と拍手。軽やかな身のこなしと笑顔が素敵だ。
赤い衣装を身にまとった女性ダンサーが情熱的な踊りを披露する「ファイアーダンス」も見どころ。
カスタネットとフラメンコ・ギターの音に「おいおい、フラメンコかよ!」とツッコミかけたが、全体的な雰囲気はやっぱりリバーダンス。
それにしてもあのダンサーのオーラは凄いな…全身からエネルギーが立ち上ってる。

2幕ではアメリカへ渡った移民たちの誇りと郷愁、他文化との交流が描かれる。
牧歌的な「アメリカン・ウェイク」では一緒に踊りだしたくなるような楽しげなムードにあふれ、客席も自然と手拍子を叩き始める。
そして俺が一番盛り上がったのは「タップの競演」。
アイリッシュ・ダンサーのクラシカルなステップと、アメリカの黒人ダンスであるタップが対決!楽器もフィドルVSクラリネット。
3人のアイルランド人は流麗なダンスで魅了する一方、アメリカ人側は2人ながらワイルドで激しいビートを刻む。人間離れした技が次々と炸裂し、客席も拍手を送って大興奮。
最後は実力を認め合った両者による圧巻の共演。驚くべき事にこのシーンはアドリブが多いらしい。
他にもテノール歌手の力強い歌声が響き渡る「リフト・ザ・ウィング」はオペラ風、イリアン・パイプを使った「マケドニアの朝」はロシアン・テイストと、色々な国の文化との融合が楽しめる。

終盤はこれまでのダンサー達が勢ぞろい。30人余りの一糸乱れぬ怒涛のステップに客席も一体となって会場の熱気は頂点へ。
ケルト音楽の魅力をたっぷりと聞かせてくれた演奏者たちにも拍手喝采で、感動と興奮の115分は幕を閉じた。
いや〜最高だったな、見に行ってよかった!最後の日本公演なんて言わずにまた来てほしい。

J.D.サリンジャー「フラニーとゾーイー」

フラニーとゾーイー (新潮文庫)
繊細度 ★★★★★
あらすじ:エゴとスノッブが蔓延する世の中に耐え切れず、病的になって家に引きこもるフラニー。そんな妹の気持ちを理解しながらも、兄ゾーイーは彼女を何とか説得しようとする。

「ライ麦畑でつかまえて」で有名な(といっても読んだ事は無いが)サリンジャーの作品(1961)。
7人兄弟と両親からなるグラース一家にまつわる物語の一つで、末っ子フラニーとその上のゾーイーの話。
大学生のフラニーは周りの人間たちがみんな見栄っ張りや上っ面だけの気取りで溢れかえっていると感じ、イエスの祈りについて書かれた「巡礼の道」という本に救いを見出そうとする。
10〜20代の若者が抱く、社会への憧れや現実に対する落胆・葛藤などが実にリアルで、何気ない仕草や小道具を巧みに描き、微妙な年頃の心理を細やかに表現している。
こういう青春の苦悩は誠実に生きようとする人間なら誰でもぶち当たる壁ではあるが、フラニーは優秀が故に潔癖症にも似た完璧さを求めすぎてしまっているんだろうな。

そんな彼女に自分と同じ「奇形児教育」を受けたと感じている俳優のゾーイーは、共感しながらも説得を試みる。
このゾーイー編、ほとんど会話中心で進行していくのだが、これがいい。
次兄バディからの手紙に始まり、バスタブでのゾーイーと母親ベシー、そしてゾーイーとフラニーの会話と、かなり遠慮なくズバズバ言い合っているのだが、その根底にあるのは間違いなく家族の絆だ。
特にゾーイーは皮肉屋ともいえる自分の性格をよく分かっており、彼のウィットに飛んだ会話はもはや達観の域。
「全力を尽くしてへばっちまう事ができるなら、同じ力をなぜ元気で活躍するために使う事ができないんだ?」
「君は最低の人間なんかじゃないのに、今この瞬間にも最低な物の考え方に首までつかってるじゃないか」
「俳優の心掛けるべきはただ一つ、他人にどう見えるかではなく、自分が完璧だと思うものを狙う事」
など核心をついた言葉の数々は、フラニーに答えを与えるだけでなく、俺にとっても新たな視野を広げてくれた気がする。

他にも聖書の一節、東洋哲学や詩人たちの格言など広い分野の知識や教養に言及しているが、作品全体に流れているのは繊細かつ鮮やかに描かれた若者の感性と深い家族愛、これに尽きる。
起伏のある劇的なストーリーではないが、生き生きとしたグラース一家が実に魅力的だ。
野崎孝による日本語訳も見事だし、サリンジャーの作品は是非また読んでみよう。

増殖する円盤

アラニス・モリセット「Supposed Former Infatuation Junkie
98゚「Revelation
リチャード・マークス「Flesh & Bone
edge」(オムニバス)
ザ・ブルー・ヴァン「The Art Of Rolling
ザ・コーラル「The Invisible Invation
マイケル・ブーブレ「It's Time
マキシモ・パーク「A Certain Trigger

以上、ここ3日間で購入したCD。
最近、中古とはいえ気になるとすぐ買ってしまう。
総数は160枚ってところか。この程度だとまだ集めるのが楽しい。
ロック・ポップスだけならいいが、クラシックやジャズに手を出すと1000枚なんてあっと言う間だからな…

ジャンパー

Jumper [Original Motion Picture Soundtrack]
置きざり度 ★★★★★
あらすじ:ごく普通の高校生だったデヴィッドは、ある日自分にテレポート能力がある事を知る。その能力で銀行の金庫から大金をせしめ、自由を満喫していたデヴィッドだったが…

「ボーン・アイデンティティー」、「Mr.&Mrs. スミス」のダグ・リーマン監督によるSFアクション・アドベンチャー(2008)。
瞬間移動できる能力を持った“ジャンパー”と、ジャンパーを追う組織“パラディン”との闘いを描く。
期待して見たわけじゃないが、はっきり言ってイマイチな内容だ。
瞬間移動(ジャンプ)能力を持った主人公デヴィッドは真っ先に銀行強盗をやらかす。自分の欲望を満たすために力を使うというのがいかにも現代の若者らしい。
一方、「好き勝手やってるジャンパーたちを抹殺するのが正義!」と意気込むパラディンたちは様々な武器を駆使してデヴィッドを追いつめる。
設定は悪くないと思うが、登場人物たちの内面描写がかなり雑というかほぼ皆無だし、中世にまで遡るというジャンパーVSパラディンの歴史の説明もすっ飛ばしているので薄っぺらなストーリーになってしまっている。
続編を意識しているのか知らないが幕切れも中途半端で「え?これで終わり?」と突っ込みたくなった。キャラクターも観客も完全に置いてきぼりだ。

―という風に脚本面ではかなりグダグダだったが、映像面はなかなか。むしろそちらがメインでストーリーはおまけと思った方がいいかもしれない。
主役となるジャンプシーンは製作スタッフが「とにかくカッコよく!」をテーマにした通り、スピーディーかつスタイリッシュな映像に仕上がっている。
さらに、世界中を飛び回るジャンパーの特性に合わせて世界各地で実際にロケを敢行。今回特別に撮影許可が下りたローマのコロシアムをはじめ、ニューヨーク、ロンドン、パリ、エジプトや東京のシーンもあり観光気分を味わえる。

主人公であるデヴィッドには魅力を感じなかったが、原作の小説には登場しないジャンパー、グリフィンはかなり良かったな。
ジェイミー・ベル演じるワイルドでクレイジーな役だが、ローランドとの戦闘シーンはパワフルなパンチありロンドンの二階建てバス投げありで作中一番燃えた。ベンツでの爆走ドライブやデヴィッドとの世界を股にかけたリモコン争いも面白かったし、グリフィンのおかげで作品が生き生きしたんじゃないだろうか。
この作品で褒められるのはビジュアルとグリフィン、それだけだな。

悪魔のいけにえ

悪魔のいけにえ スペシャル・エディション コンプリートBOX(3枚組)
絶叫度 ★★★★★
あらすじ:テキサスの片田舎をドライブしていた5人の若者は、ひっそりと佇む屋敷を見つける。そこには殺人鬼レザーフェイスが潜んでいた…

数多のフォロワーを生んだ、トビー・フーパーによるホラー映画の傑作(1974)。
一度は見ておかねばと思いようやく鑑賞。
実在の殺人犯エド・ゲインをモチーフにしたと言われるこの映画は、人の皮で作ったマスクをかぶりチェーンソーを振りかざすレザーフェイスの強烈なインパクトと、全編に漂う不快感が圧倒的だ。
不気味なヒッチハイカー、古びた屋敷、真夏のまとわりつくような空気…ピリピリと緊張感の高まったところに襲いかかる恐怖はかなりの衝撃。
直接的な残酷描写はほぼ皆無にもかかわらずこれほど怖いのは、演出によるところが大きい。
唸るチェーンソーの轟音もさることながら、個人的にはレザーフェイスに引きずり込まれバターンと閉じる鉄扉の無情な響きが耳から離れない。

中盤までは正体不明の殺人鬼の異常さが怖かったが、残されたヒロインとの壮絶な追いかけっこ辺りからちょっと笑いがこみ上げてくる。
爆音チェーンソーといい勝負を繰り広げるヒロインの絶叫が夜中に響き渡り、殺人鬼一家の晩餐会はどこかユーモラス。普通の人間にはあんなに恐ろしいレザーフェイスも、変人揃いの家族からは意外と虐げられている様子。
パニック状態でひたすら叫ぶヒロインと、異様にマイペースな殺人一家との対比はブラックユーモアがあっていいな。
朝焼けをバックにチェーンソーを振り回すレザーフェイスの姿でブッツリ終わるラストも印象的だ。

感情的な演出を排除し淡々と描いているので、もしかしたらどこかで実際にこんな惨劇が行なわれているかもと思ってしまうようなリアルさがある。
特に前半のたまらない息苦しさは見事としか言いようがない。
以降のシリーズやリメイク版は未見だが、気が向いたら期待せずに見てみるか。

おまけ:「Bad Guys Silent Night
レザーフェイスに負けず劣らずキャラの濃い悪役たちが大集合のCM。なんて幸せなクリスマス。

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Appendix

Author:Oops!

23、趣味に生きてるフリーター
現在、多忙につきユルユル更新

[洋楽]
ロック・ポップス中心に浅く広く
[洋画]
ラブストーリー以外何でも見る
[本]
ミステリーとか海外の名作とか

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